2009年07月14日

yplさんの"Tuonela"に等身大の彼岸を見る



アヒルアルカナのCDをPENちゃんさんのおかげで幸運にも手にすることができて、その中に収録されていたこの曲を耳にした時に今年いちばんの衝撃を受けました。マーラーの交響曲を初めて聴いた時みたいに、うねりのように押し寄せてくる情念に圧倒され、そのスケールの大きさに畏怖のようなものを感じました。それでいてこれはあくまでもyplさんと言う等身大の一個人から発せられる音楽だと思いました。
音に関しても、これは全く新しい、yplさん独自の音楽のように思いました。彼岸への憧憬と言うことで、僕自身は最初シューゲイザーの文脈で受け取って、それが適当かどうかは確信がないのですが、シューゲイザーでありながらミニマルであることに不意を突かれて衝撃を受けました。シューゲイザーについては僕自身あんまり語れる口ではないのですが、シューゲイザーというジャンル、エフェクトがどうたらとか技術的なことの蘊蓄が垂れ流されて、まるでヘビーメタルの亜種みたいな感じで語る人がいたりで、ノイズの派手さを競い合っている様子に絶滅前の恐竜みたいな印象を持っていたのですが、逆に無駄な音を削ぎ落とす、シンプルな方に進化すると言う発想はなかったので、度胆を抜かれました。派手な超人的技術を競う代わりに、一つ一つの音を丹念に吟味して選り抜かれているように思いました。たとえば途中でチャカチャカ鳴っている何気ないハイハットのような音が地味にとてもいい仕事をしているように思います。
死生観のような根源的なテーマに向き合いながら、yplさんは既存の宗教などに絡め取られことなく、ご自身の見つめられる生と死のイメージをご自身お一人の言葉で凜として表現なさったんだと思います。彼岸の世界を描くと言う、超人の仕業のようなことを、yplさんと言う生身の、身の丈の人間の方が、織物を織り上げるようにして成し遂げられたことにとても感銘を受けると共に、yplさんお疲れ様でした、今はどうぞゆっくりお休みになってくださいと申し上げたいです。

アルバム"Garbage Collection"の方も必聴お勧めです。


こちらからダウンロードできるようです。
http://yplmusic.bandcamp.com/



posted by irijako at 08:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
yplさんの才能に最初に気付いたと勝手に自負してるあすなろですw
この曲に関しては素晴らしすぎて言葉がありません。音の隙間が音楽を奏でているというか、シンプルであるがゆえに無限の広がりを感じるのです。
PV付で見れば、おそらく言葉が通じない国の人々でも同じ感想を持つと思います。ある意味世界にも通用するという気がするのですが。
Posted by あすなろ at 2009年07月14日 11:11
> あすなろさん
yplさんのことを語り始めると、どうしても熱くなってしまいますねw
しまった、何だか書き過ぎたと後悔しています…。yplさん、ごめんなさい。
これでも言いたいことをぐっと堪えている方です。
音楽について語ることで手一杯で、素晴しいPVについては触れることができませんでしたが、そちらは僕が言及するまでもないですね。
Posted by いりじゃこ at 2009年07月15日 04:04
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